マダガスカル北西部・マハジャンガ周辺の乾燥林に自生する、ゴマ科ウンカリーナ属の中型コーデックス。命名権威は Humbert ex Ihlenf., 種小名はマダガスカル植物相研究の先駆者 Raymond Decary への献名。樹高 2〜3m、grandidieri より一段小型でコンパクトな塊根樹形に、葉は心臓形でやや切れ込み(ロブ)が入り、葉柄が赤く色付くのが grandidieri との見分けポイント。夏に鮮やかな黄色の大輪 5 弁花(中心は紫黒色)を咲かせ、秋には属の特徴である鉤付きの硬い果実を結ぶ。grandidieri と並ぶ Uncarina の主要栽培種で、鉢栽培向きの丈夫な実生(みしょう)入門種。
自生地の気候
雨は暖かい季節に集中し、はっきりした乾季がある。やや暑い気候。
自生地の広域的な気候の目安です。岩陰や霧など、実際の生育環境はこれより穏やかな場合があります。
出典:気候・標高 WorldClim 2.1(1970–2000)/分布点 GBIF/在来範囲 POWO/現在の天気 Open-Meteo
育て方
置き場所・日当たり
マハジャンガ周辺の dry deciduous forest で、強い日射と乾季のメリハリを経験して育つ夏型樹木。生育期は屋外で終日直射に当てると、コンパクトな樹形が締まり、葉も大きく色濃く展開する。日本の真夏は遮光 20〜30% で軽く葉焼けと蒸れを防ぎ、棚上で風通しを確保する。冬は雨を避けて 8℃ 以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込み、乾燥越冬させる。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリで管理する。本種は属内では水加減のバランスが取りやすい方で、grandidieri 同様に与えすぎは枝の徒長を招く。秋に落葉が始まったら徐々に水を切り、冬は月 1 回程度の軽い霧吹きに留める。
用土
水はけ最優先で無機質中心に組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3 が基本。本種はやや浅めの鉢でもコンパクトに収まるが、塊根を太らせるなら深鉢で根を真下に伸ばす。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月 1 回、または緩効性肥料を植え替え時に少量混ぜる。本種は鉢栽培でコンパクトに収まる素直な反応をするので、肥料は控えめでも姿を作りやすい。
温度・冬越し
生育適温 22〜35℃、最低 8℃ が目安。マダガスカル産で寒さに弱く、5℃ を切ると枝先が傷み、湿土+低温は致命的。秋に葉が落ち始めたら早めに水を切り、明るい室内窓辺で乾燥越冬。乾湿のメリハリを保ったまま静かに越させる。
実生のはじめ方
種の入手先
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。水に残った種は鮮度低下が進んでいる目印。ゴマ科特有の硬い種皮を持つため、スカリフィケーション(やすりで種皮に軽く傷を入れる)を行うと吸水が改善する。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 で、熱湯やレンジで事前殺菌しておく。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留め、種子間隔は 1cm 以上空ける。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃ を安定キープ。発芽は 10〜30 日でほぼ出揃う。
水やり
鉢底 1〜2cm の腰水管理。最初の 2〜3 週間は乾燥させず、発芽が揃ったら段階的に水位を下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍に薄めた液肥を月 1〜2 回。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2 年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換え、サーキュレーターで通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに LED 距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足、種皮が硬く吸水できていない
- 予防: 新鮮な種、軽くスカリフィケーション、加温マットで 25〜30℃ を維持
注意点
成熟した果実は鋭い鉤を備え、衣類や指に強くひっかかる。剪定や種採取の際は革手袋を着用し、ペットや子どもの動線から外して保管する。






