メキシコから中米、南米北西部、ガラパゴス諸島まで広く熱帯乾燥落葉林に自生するブルセラ属の樹木。種小名 graveolens は「強く香る」の意で、樹脂と材は柑橘とウッディが混ざる独特の芳香を放つ。スペイン語名「パロサント (Palo Santo=聖なる木)」として南米先住民が古くから焚いてきた世界的に有名な香木で、近年は需要急拡大とともに供給が逼迫する。樹高4〜10m、灰白〜赤茶色の薄紙状の樹皮が剥がれ、乾季には落葉する典型的な熱帯乾燥林の樹木。種から育てる「実生(みしょう)」は、この樹木と長く付き合う最も静かな選択肢のひとつ。
育て方
置き場所・日当たり

熱帯乾燥落葉林の高木で、強光と高温を好む。生育期は屋外で終日直射日光に当てると樹皮の剥がれが美しく発色し、幹も着実に太る。日本の真夏の高温多湿には属内では比較的強いが、急な強光は葉焼けの原因なので環境変化は段階的に。雨ざらしを避けて棚上で風通しを確保し、属内でも特に寒さに弱いので秋の冷え込みには早めに反応する。冬は最低8℃を切る前に明るい室内窓辺へ取り込み、乾燥越冬。
水やり
生育期は表土が乾いてから鉢底から流れるまでたっぷり与え、風通しで素早く乾かす。属内では水を欲しがる方。秋に落葉が始まったら水を控え、休眠期は完全断水。
用土
水はけ最優先で、赤玉土:鹿沼土:軽石を4:3:3が基本。微塵を抜いて根腐れを防ぐ。深鉢で根を真下に伸ばす。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回程度。窒素過多は枝の間延びにつながるため控えめにし、リン酸主体で幹の充実と樹脂の芳香を高める。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃の高温性で、属内でも特に寒さに弱い。最低8℃が目安、5℃を切ると枝先が黒く傷み樹皮の芳香も損なわれる。冬は完全断水で明るく暖かい室内に取り込む。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
果肉が残っていれば洗い落とす。殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を7時間程度浸ける。鮮度が発芽率を大きく左右し、古い種子は中身が空のこともあるため、新鮮な種を入手後すぐに播くのが基本。種皮が硬ければサンドペーパーでの軽いスカリフィケーションが有効。
用土
細粒の無機質用土を基本に、赤玉土細粒と日向土細粒を等量で配合。播種前に熱湯か電子レンジで殺菌しておく。
播種方法
表面を平らに均し、種を寝かせて並べてからごく薄く覆土する。深植えは禁物。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を維持。加温マットで温度を安定させ、夜間20℃を切る時期は加温必須。
水やり
発芽までは腰水で常時湿潤を保つ。発芽後も浅めの腰水を続け、急な乾燥を避ける。
肥料
本葉展開後、規定の半分以下に薄めた液肥を月1回。濃いと細根を傷める。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、明るい日陰で管理。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから深鉢へ。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌
- 予防: 用土殺菌、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに光量を上げる、強光下で締まった樹形に育てる
種が発芽しない
- 原因: 鮮度切れ、温度不足、種皮の硬さ
- 予防: 新鮮な種、加温マット、必要なら軽スカリフィケーション
注意点
ペルー北西部での違法伐採圧が続くため、栽培苗が選択肢になる。





