ソマリア北東部の旧 Migiurtinia 地方(現 Bari 州、Cape Guardafui 周辺)にごく限定して自生するキョウチクトウ科ガガイモ亜科の小型多肉。属名 Pseudolithos は**「偽の石」を意味し、灰緑〜灰褐色の塊状の幹(直径・樹高ともに 5〜10cm)は岩そのものの質感**で、葉はほぼ退化、夏に小さな赤紫色の星形花が表面から直接咲く。属内でも特に石擬態の完成度が高く、コレクター対象の代表種。過湿で即座に腐敗するため属内最難の部類に入り、上級者向けの夏型コーデックス。
育て方
置き場所・日当たり

ソマリア北東部の角海沿岸帯、岩石半砂漠で強烈な日射と高温乾燥に晒されて育つ。生育期は屋外で終日直射に当てると、岩のような表皮の質感がしっかり締まる。日本の真夏は遮光不要で全日照で OK だが、長雨と多湿が続くなら雨を絶対に避け、棚上で風通しを最優先。冬は最低 10℃ 以上を保てる明るい室内窓辺へ早めに取り込み、完全断水で乾燥越冬させる。寒さに極めて弱いので秋の冷え込みには敏感に反応する。
水やり
生育期は表土が完全に乾いてから、ごく少量を与える程度。属内で最も過湿に弱く、「やや乾かしすぎ」くらいでちょうど良い。長雨や鉢内が湿ったままの状態が数日続くと一気に塊状の幹が腐って崩壊する。冬は完全断水。
用土
水はけ最優先で極めて荒い無機質で組む。軽石:鹿沼土細粒:赤玉土細粒 = 5:3:2 程度と、軽石比率を半分以上にして極乾燥仕上げ。鉢底ドレンを十分に取り、用土が長く湿らない構造を作る。
肥料・活力剤
ほぼ不要。生育期にごく薄めた液肥を月 1 回程度で十分、与えすぎは即腐敗。
温度・冬越し
生育適温 22〜35℃、最低 10℃ が目安。属内で最も寒さに弱く、5℃ 近くまで下がると枝先が壊死。秋早めに室内取り込み、完全断水で越冬。日本の冬の湿度ですら警戒する必要がある。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。浮かんだまま動かない種は劣化の兆しで、本種の種子は鮮度が極めて重要。
用土
実生用は細粒・極無菌寄りに組む。軽石細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 2:1:1 で、必ず熱湯やレンジで事前殺菌。
播種方法
覆土なし、種子間隔は 1cm 以上空ける。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃ を安定キープ。発芽は 14〜30 日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。
水やり
鉢底 1cm 程度の最低限の腰水。発芽が揃ったら早めに水位を下げ、過湿による立ち枯れを徹底回避。
肥料
発芽後数ヶ月は不要。本葉展開後にごく薄い液肥を月 1 回程度。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
過湿厳禁、明るい日陰で管理。
腰水卒業
1ヶ月以内に段階的に水位を下げる。
初回植え替え
2〜3 年目、塊状の幹が指先大に育ったら。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿(属内で最大の事故要因)
- 予防: 用土殺菌、軽石比率を上げる、腰水期間を短く
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに LED 距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手元から新鮮な種、加温マットで 25〜30℃ を維持
注意点
過湿即腐敗の上級者種、寒さにも弱いので冬の取り込みは早めに。樹液に弱い毒性がある。

