「恵比寿笑い」の名で知られるパキポディウムの代表的人気種。マダガスカル中央高地の岩場に張り付くように自生し、平たく広がる塊根と春先に咲く明るい黄色の花が最大の特徴で、岩肌に擬態するような独特のフォルムが愛好家を魅了してきた。成長は非常に遅く、長い年月をかけて作り込む実生株は唯一無二の個性を帯びる。夏の高温多湿に弱く、通気と用土選びにこだわれる中〜上級者向け。
育て方
置き場所・日当たり

マダガスカル中央高地の岩場に自生し、強光下に育つが、原産地の冷涼な気候とは異なり日本の夏は高温多湿に非常に弱い。春と秋は屋外でしっかり日光に当て、真夏は遮光50%程度の半日陰へ移動するか、北向きや東向きの風通しの良い場所で過ごさせる。サーキュレーターによる通気確保が最重要で、鉢を地面に直置きせず棚上で育てたい。室内栽培は徒長しやすいので避け、冬の休眠期は5℃を下回らない明るい室内窓辺へ取り込む。
水やり
生育期は表土が完全に乾いてからたっぷり与え、その後しっかり乾かす。岩場原産で蒸れに弱く、曇天や低温時は無理に与えない。休眠期は完全断水で乾燥越冬。
用土
水はけと通気性を最優先。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 3:3:4と軽石比率を高め、化粧砂はほぼ使わない。腰高鉢で底部の通気を稼ぐと蒸れ事故を防げる。
肥料・活力剤
生育期に薄い液肥をごく少量、月1回未満に。緩効性肥料を入れるなら植え替え時にひとつまみ。成長の遅い高地性種なので、与えすぎは徒長と腐敗を招く。
温度・冬越し
生育適温18〜30℃、最低5℃が目安の高地性種。日本の盛夏は熱帯夜で止まりやすく、半日陰+強制通気で熱を逃がす。冬は断水して明るい室内窓辺で休ませる。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。浮く種は鮮度落ちが進んでいる傾向。鮮度が発芽率を強く左右する高地種なので、新鮮な種を必ず選びたい。
用土
実生用は成株と分け、細粒・無菌寄りに。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて重ならないよう並べる。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を安定維持する。発芽日数は5〜21日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。温度が安定すれば発芽もばらつきにくい。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。高地種は蒸れに弱いので、サーキュレータで通気を確保しながら2〜3週間は湿度を保つ。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月1回程度、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与え、徒長を抑える。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、サーキュレータで通気。
腰水卒業
2〜3ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
2年目以降、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 高温多湿による蒸れ
- 予防: 通気の確保が特に重要
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 光量管理
夏の高温で停止・腐敗
- 原因: 高地原産で日本の夏に弱い
- 予防: 風通しの良い半日陰、遮光
注意点
樹液に弱い毒性がある。









