メキシコ北西部、ソノラ州南部からシナロア州にかけての熱帯落葉林に分布するアオイ科の半多肉性樹木。命名権威は (S.Watson) Dugand で、種小名は19世紀にメキシコ各地を踏査した植物採集家 Edward Palmer への献名。1887年に S.Watson が Bombax palmeri として記載し、1943年に Dugand がプセウドボンバックスへ移した経緯を持つ。アラモス周辺では「クアヒロテ(cuajilote)」と呼ばれ、断崖や岩盤に張り付くようにして育ち、3月に白い刷毛状の花を咲かせる。汎熱帯のエリプチクムと比べてより乾燥地寄りに分布し、流通量も少ないコレクター種。
育て方
置き場所・日当たり

ソノラ南部〜シナロアの熱帯落葉林の上限から樫林の下端、岩崖の隙間で強烈な日射と乾季の乾燥に晒されて育つ。生育期は屋外の終日直射に当てると幹が締まり、半多肉質の枝が間延びせず短くまとまる。ただし日本の梅雨〜真夏は高湿度で蒸れに弱いので、遮光30%程度と棚上での通風確保が安全。落葉する休眠期は雨を避け、最低8℃以上を保てる明るい室内窓辺へ早めに取り込む。地植えサイズの大木でも鉢栽培なら数年単位で塊根状の幹を太らせて楽しめる。
水やり
生育期は表土が完全に乾いてからたっぷり、メリハリ重視で半多肉質の幹を膨らませる。受け皿に水を残さない。落葉期は完全断水、月1回霧吹き程度で越冬する。
用土
水はけ最優先で無機質中心。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本。深鉢で乾湿のメリハリを付け、半多肉質の幹を腐らせないようにする。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。与えすぎは徒長と枝の軟弱化を招く。控えめにゆっくり太らせる。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃、最低8℃が目安。原産地は冬も比較的温暖だが乾季の朝晩は冷え込む。湿土+低温は致命傷なので、落葉後は早めに室内へ取り込み、明るい窓辺で乾燥越冬させる。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。浮いてくる種は中身が痩せている目安。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。電子レンジか熱湯で事前殺菌しておくと立ち枯れ予防になる。
播種方法
種子は綿毛に包まれた中粒。綿毛を軽く除いてから、覆土なしか種子が見え隠れする程度の薄い覆土に留め、種子間隔は1〜2cm空ける。
光・温度
明るい日陰またはLED環境で、25〜30℃を安定維持。発芽日数は7〜21日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら徐々に水位を下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1〜2回、ごく控えめに与える。樹木性なので幼苗期から無理に伸ばさない。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す。樹木性で本来は上に伸びる種なので、塊根状に太らせたいなら強光下で締めて育てる
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マットで25〜30℃維持
注意点
低温+過湿は半多肉質の幹を一気に腐らせる。
