Spreng. が1827年に記載した、タイからインドシナ半島・マレー半島・インドネシアまで広く分布するツヅラフジ科の塊根性蔓植物。地表に大きく露出する灰褐色の球状塊根(直径20〜40cm、ときに1m近く)が最大の見どころで、生育期には頂部から数メートルに及ぶ蔓性の茎を勢いよく伸ばし、葉柄が葉身の中央近くに付く円形〜卵形の peltate(楯状)葉を広げる。属内では花色が最も派手で、小さな赤橙〜赤紫色の散形花序を付ける。塊根全体に cepharanthine など多数のアルカロイドを含み、タイでは古くから薬用としても利用されてきた、塊根植物入門に位置付けられる中級向けの種。
育て方
置き場所・日当たり
_Spreng.jpg)
タイやマレー半島の落葉季節林・石灰岩域の林床〜林縁に自生し、強い直射よりも明るい半日陰を好む。生育期は屋外の半日陰や遮光30〜50%の場所に置くと、葉が薄く広がり蔓も健全に伸びる。真夏の強い直射は薄葉が萎びる原因なので避け、棚上で風通しを確保する。冬は落葉して休眠するので、最低8℃以上を保てる明るい室内窓辺に取り込み、塊根を乾かした状態で管理する。
水やり
生育期は表土が乾いたらたっぷり与え、塊根から蔓を勢いよく伸ばさせる。受け皿に水を残さない。落葉が始まる秋から徐々に減らし、休眠中は完全断水で乾燥越冬させる。
用土
水はけと通気を最優先に無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本。塊根を地上に出して植えると過湿による腐敗を避けやすい。深鉢で乾湿のメリハリを付ける。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1〜2回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。成長が早い種なので適量を与えると塊根が太り蔓もよく伸びるが、与えすぎは徒長と腐敗を招く。
温度・冬越し
生育適温22〜32℃、最低8℃が目安。属内では比較的寒さに強いが、湿土+低温は致命傷。落葉後は早めに室内へ取り込み、明るい窓辺で乾燥越冬させる。塊根の中央部を触って柔らかければ腐敗のサイン。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。浮き残るものは劣化が進んでいる傾向。流通量が少なく新鮮な種の入手機会が限られるため、入手できたら早めに播くのが安心。
用土
実生用は細粒・無菌寄り。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。立ち枯れ防止に電子レンジか熱湯で事前殺菌しておくと安心。
播種方法
軽く押し込んで種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて並べる。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を安定維持。発芽日数は2週間〜2ヶ月と幅があり、加温マットで温度を保つと発芽が安定する。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1〜2回。成長が早い属なので濃く与えなくてもよく伸びる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 明るい日陰に置きLED距離を近づける、蔓は支柱で誘引する
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マットで25〜30℃維持
注意点
塊根全草に cepharanthine などのアルカロイドを含み誤食は危険。休眠中の過湿は腐敗を招くので断水を徹底する。


