メキシコ・テワンテペック地峡(オアハカ州〜チアパス州)の石灰岩崖に自生する小型ロゼット種。標高 1,100〜1,500m の切り立った崖面に根を張り、直径 15〜30cm にまとまるコンパクトな草姿で知られる。灰青〜灰緑の葉には深いスパイン痕が刻まれ、密生した三角形の葉先には暗褐色〜赤褐色の末端棘が伸びる。かつては Agave potatorum var. minima として扱われた経緯があるが、POWO では García-Mend. & F.Palma (2002) 記載の独立種として受理されている。CITES 対象外。IUCN 未評価(NE)。
育て方
置き場所・日当たり

石灰岩崖の強光・乾燥した自生環境から、強光と通気が基本要件となる。生育期は屋外の棚上で終日直射日光に当てると、ロゼットが締まり葉色の灰青みも乗りやすい。日本の梅雨〜真夏の高湿度・熱帯夜は本来の自生地より過酷なため、明るく風通しのよい場所に置き、20% 程度の軽い遮光で過剰な葉焼けを防ぐとよい。冬は雨を避けた軒下か明るい室内窓辺で管理する。
水やり
生育期は用土が完全に乾いてからたっぷり与え、その後しっかり乾かす。長雨や通気不良による過湿で芯腐れが起きやすい。冬は断水気味、月 1〜2 回程度に絞る。
用土
水はけ最優先の無機質中心。赤玉土小粒:軽石:鹿沼土小粒 = 4:3:3 が基本。腰高の鉢で乾湿のメリハリをつけると芯に水が溜まりにくい。
肥料・活力剤
生育期に緩効性化成肥料を少量施し、月 1 回程度の薄い液肥(規定の半量程度)を補助的に与える程度で十分。多肥は葉が間延びし、締まったロゼットの姿が崩れる。
温度・冬越し
生育適温 20〜32℃。最低気温の目安は 3℃で、寒冷地での屋外越冬は避け、室内の明るい窓辺で乾燥管理が基本。冬は雨と低温の組み合わせが最大のリスクで、断水と雨避けが前提となる。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート・ダコニール等)と活力剤(メネデール等)を規定希釈率で混ぜた液に半日浸ける。浮いた種は鮮度が落ちている可能性があるため取り除くとよい。
用土
実生用に細粒・無菌寄りの用土を別に用意する。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 を基本とし、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。
播種方法
平たい種子を覆土なし、または見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は 1cm 以上確保し、密集を避けて均等に並べる。
光・温度
明るい日陰で 25〜30℃を安定維持する。発芽日数は 7〜21 日が目安。新鮮な種であれば発芽はおおむね安定しており、難易度は易〜中程度。
水やり
鉢底から 1〜2cm の腰水管理を基本とする。最初の 2〜3 週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら腰水の水位を段階的に下げていく。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月 1〜2 回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開(〜1ヶ月)
腰水を継続。明るい日陰で管理。
腰水卒業(1〜2ヶ月目)
水位を段階的に下げ、受け皿給水へ。
初回植え替え(1〜2年目)
根が鉢底まで回ってきたら適期。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 用土の雑菌、過湿、通気不足
- 予防: 用土の殺菌、腰水をこまめに交換、サーキュレーターで通気を確保
葉焼け
- 原因: 急に直射日光へ移したことによる組織壊死
- 予防: 1〜2 週間かけて段階的に光量を上げて慣らす
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
注意点
葉先の末端棘が鋭く、取り扱いに注意が必要。

