南アフリカ東ケープ州の Karoo に固有の、ソテツ目ザミア科の裸子植物。命名権威は Lehm.(1834 年記載)で、種小名はドイツの植物学者 J.G.C. Lehmann に献名された。樹高 1〜2m の太い灰白色の幹に、銀青色の硬い葉を放射状に整然と展開する姿が美しく、属内屈指の「青いソテツ」として知られる。同郷の E. horridus と比べると小葉は重ならず縁の棘も穏やかで、フォルムは整って端正。Karoo の半乾燥気候に適応し耐寒性もあるが、生育は極めて遅い。属全種が CITES 附属書 I 掲載の希少種。
育て方
置き場所・日当たり

東ケープ Karoo の砂岩斜面で強烈な日射を浴びて育つ種で、日光が銀青色の葉色を引き出す鍵になる。半日陰や多湿で育てると葉色が緑へ褪せ、葉も間延びしやすい。生育期は屋外で終日直射に当て、棚上で風通しを確保するのが理想。日本の真夏は遮光20〜30%程度で軽い葉焼けを避けつつ、強光基調を保つと締まった姿になる。冬は雨を避けた明るい屋外軒下、または日当たりの良い室内窓辺で乾燥越冬させる。
水やり
生育期は表土が完全に乾いてからたっぷり、その後しっかり乾かすメリハリ重視。Karoo の年降水量は250〜350mmと少なく、与えすぎは幹の腐敗に直結する。秋以降は水を絞り、冬はほぼ断水で越冬。
用土
水はけと通気性を最優先に無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 3:3:4。深鉢で根を真下に伸ばし、ドレンを十分に取って乾湿のメリハリを付ける。
肥料・活力剤
生育期に緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ、または薄めた液肥を月1回。極めて遅成長なので与えすぎても太らず、葉色が崩れる原因になる。控えめが基本。
温度・冬越し
生育適温22〜32℃、最低5℃が目安。Karoo 出身で属内では耐寒性が高く、乾いていれば軽い霜にも短時間耐える。ただし湿土+低温は致命的なので、冬は完全に乾かしてから室内窓辺へ取り込み、加温は不要。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
赤い肉質の種衣(サルコテスタ)は腐敗の原因になるため、軽く水に浸して柔らかくした後に取り除く。殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まない種は鮮度切れの目印。発芽には 25〜32℃ の安定した高温が必要。
用土
実生用は赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1 を基本に、熱湯やレンジで事前殺菌しておく。種子が大きいので深さのある容器を選ぶ。
播種方法
種子を横向きに置き、半分が顔を出す程度の浅い覆土に留める。種子間隔は3〜5cm空け、根が伸びる空間を確保する。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃をキープ。発芽日数は30〜90日と長く、加温マットで温度を安定維持しながら気長に待つのが基本。
水やり
鉢底1〜2cmの腰水管理。発芽までは乾かさないことを優先し、根が伸び始めたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1回、ごく控えめに。成長は遅いので濃度を上げないこと。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
3〜6ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
2〜3年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、サルコテスタ残留
- 予防: 用土殺菌、外種皮を必ず除去、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足、湿度過多
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ。光不足では葉が緑化し銀青色が出ない
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先から新鮮な種、加温マットで25〜30℃を安定維持
注意点
属全種が CITES 附属書 I 掲載で、生株の輸入には許可が必要。葉縁の小棘で指を切らないよう手袋着用。種子に強い毒性があるため、子供やペットからは遠ざけたい。

