イエメン・ソコトラ島の固有種で、アデニウム属最大級の塊根を作る希少種。徳利のように直立する灰白色の太い幹が特徴で、現地では人の背丈を超える巨木に育ち、樹齢数百年といわれる個体も存在する。冬から春にかけて葉に先立って淡いピンクの花を咲かせるが、開花までは長い年月を要する。生育は非常に遅く、低温と過湿に弱いため温度と水分の両方を厳しく管理する必要がある。種の入手も難しく、コレクター垂涎の上級者向け品種。POWO 等の最新分類では Adenium obesum subsp. socotranum として亜種扱いだが、ソコトラ島固有の極太幹型として園芸流通界で独立扱いされており、本サイトも流通名を採用する。
育て方
置き場所・日当たり

ソコトラ島の岩盤に張り付く強烈な日射環境で育つため、強光を好み生育期は屋外で終日直射日光に当てる。日本の真夏は蒸れに弱いので遮光20〜30%と棚上での通気確保が必須。冬は12℃以上を保てる明るい室内窓辺へ早めに取り込み、低温と冷気の当たる場所は徹底して避ける。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり与え巨大な幹を太らせるが、蒸れには非常に弱いので梅雨時は控えめに。冬は完全断水を厳守し、最低12℃以上を保つことが生死を分ける。
用土
水はけ最優先で軽石比率を高めに組む。赤玉土:鹿沼土:軽石 = 3:3:4が目安で、深めの鉢に通気の良い構造をつくる。緩効性肥料はごく少量に留める。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回ごく軽く与える程度に留める。成長が極めて遅いため肥料を欲しがらず、過剰は徒長と根腐れの原因で必ず控えめに。
温度・冬越し
生育適温25〜35℃、暑さに強い一方で寒さに敏感で最低12℃を厳守。属内でも特に低温耐性が低く、10℃を切ると葉の黒変・幹のシミが出やすい。冬は完全断水で明るい室内窓辺へ。湿土+低温の組み合わせは致命的なので、秋の取り込みは早めに判断する。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まない種は鮮度低下が進んでいる目安で、入手難度と鮮度落ちが最大のネックとなる種だけに新鮮なものを選びたい。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1で、熱湯かレンジで事前殺菌しておくと立ち枯れを防げる。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留め、種子間隔は1cm以上空けて密集を避ける。
光・温度
明るい日陰で28〜32℃を確実にキープ。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種でも発芽率は控えめな部類。高温維持と新鮮な種が成功の鍵。加温マット必須。
水やり
鉢底1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾燥させず、発芽が揃ったら徐々に水位を下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍に薄めた液肥を月1〜2回ごく軽く与える程度に留める。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌
- 予防: 用土殺菌、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マット使用
注意点
寒さで根腐れを起こしやすい。冬の温度管理に注意。樹液に弱い毒性がある。

