和名「白馬城(はくばじょう)」の名で親しまれる、南アフリカ、ジンバブエ、モザンビーク、エスワティニ(旧スワジランド)に分布するアフリカ大陸産パキポディウム(Pachypodium saundersii/和名:白馬城)。地上にせり出す塊根状の幹から対になった鋭いトゲ(最大7cm前後)を備えた枝を伸ばし、秋口に白〜淡ピンクの星形の花を群れ咲かせる姿は、マダガスカル産とはひと味違う野性味があり根強い人気を持つ。丈夫で塊根が太りやすく成長も早めで、最初の一鉢として愛されてきた入門〜中級向けの定番種。
自生地の気候
降水は一年を通じて比較的分散する。温暖な気候。
自生地の広域的な気候の目安です。岩陰や霧など、実際の生育環境はこれより穏やかな場合があります。
出典:気候・標高 WorldClim 2.1(1970–2000)/分布点 GBIF/在来範囲 POWO/現在の天気 Open-Meteo
育て方
置き場所・日当たり
南アフリカからエスワティニ、モザンビーク、ジンバブエにかけての低地・岩場に分布する強健な夏型種で、強い直射日光を好む。生育期は屋外で終日日光に当てると、基部が太く締まり、秋口の花付きも良くなる。日本の真夏の高温多湿にも比較的強いため、基本的に遮光は不要だが、急な環境変化は葉焼けの原因となるので段階的に。風通しを確保し、鉢を地面に直置きしない。落葉後の冬期は雨を避け、最低8℃以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込み、断水気味に管理する。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり与え、地面に張り付く基部を太らせる。乾燥に強いが過湿は致命傷。休眠期は断水気味で月1回ごく少量、乾かし越冬させる方が安全。
用土
水はけと通気性を最優先に無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本。深鉢で太根の空間を確保。化粧砂は薄めにして株元のムレを避ける。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性化成肥料を植え替え時に少量混ぜる。成長が早く肥料に応えやすいが、与えすぎは徒長と根腐れの原因。控えめに引き締める。
温度・冬越し
生育適温20〜35℃、属内では暑さに強い丈夫な低地種。最低8℃を目安に取り込む。真夏は遮光ほぼ不要。冬は断水気味で乾かし越冬。湿土+冷え込みが根腐れの主因で、寒波で幹に黒シミも。
実生のはじめ方
種の入手先
は直接商品ページ、その他は学名検索リンク。在庫は流動的なのでリンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まない種は中が痩せている可能性が高い。新鮮な種であれば下処理は最小限で十分。
用土
実生用は成株と分け、細粒・無菌寄りに。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて重ならないよう並べる。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を保つ。発芽日数は5〜14日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種であれば発芽しやすい部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら徐々に水位を下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月1〜2回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策となる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開(〜1ヶ月)
腰水を継続し、湿度を保つ。強光は避け、引き続き明るい日陰で管理する。
腰水卒業(1〜2ヶ月目)
徐々に腰水の水位を下げ、最終的に底面給水(受け皿に水をやる)へ切り替える。急に乾燥させると枯れる。
初回植え替え(1〜2年目)
根が鉢底まで回ってきたら適期。塊根が見え始める頃に、無機質中心の通常用土へ植え替える。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 用土の雑菌、過湿、通気不足
- 予防: 用土の殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレータで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLEDの距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
発芽後すぐ枯れる
- 原因: 急な強光、急な乾燥
- 予防: 環境変化は段階的に。1週間かけて少しずつ慣らす
注意点
過湿による根腐れ。水はけと通気を確保。樹液は属内でも毒性が高い部類。子供やペットからは遠ざけたい。











