Forsskål が記載しSchweinfurth が1896年に Dorstenia 属へ移したクワ科の塊根植物。アラビア半島南部(イエメン・サウジアラビア南西部・オマーン)から東アフリカ(エチオピア・ソマリア・ケニア)、ソコトラ島まで広く分布し、灰褐色のずんぐりした塊状の幹に肉厚の葉を載せる。最大の特徴はクワ科特有の円盤状の花序「ハイパンソーディウム」で、成熟した果実が周囲の組織に押し出されて種子を弾き飛ばす弾射散布を行う。自家受粉でよく結実し、こぼれ種が鉢の周囲で勝手に増えるほど丈夫。塊根植物の実生入門に最適な定番種として世界中で親しまれてきた。
育て方
置き場所・日当たり

アラビア半島南部から東アフリカの乾燥した低木地・岩場で強い日射を受けて育つため、明るい環境を好む。生育期は屋外で終日直射に当てると塊状の幹が締まり、葉柄も短くまとまって全体のフォルムが整う。日本の真夏は強光と高温で葉焼けすることがあるので遮光30%程度を目安に、棚上で風通しを確保し蒸れを防ぐ。寒さには弱く、秋に気温が15℃を下回り始めたら明るい室内窓辺へ早めに取り込み、冬は最低8℃以上を保てる場所で管理する。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり与え、メリハリで幹を膨らませる。受け皿に水を残さない。冬は完全断水〜月1回の霧吹き程度で十分越冬する。
用土
水はけ最優先で無機質中心。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本。深鉢で乾湿のメリハリを付けると、塊状の幹を腐らせずにじっくり太らせていける。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1〜2回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。成長が早い種なので適量で素直に応え、年内の開花・結実にもつながる。
温度・冬越し
生育適温22〜32℃、最低8℃が目安。寒さに弱く5℃を下回ると幹が傷むため、秋に冷え込む前に室内へ取り込み、明るい窓辺で乾燥越冬させる。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。種子は鮮度が命で、採り蒔きが理想、古い種は発芽率が大きく落ちる。
用土
実生用は細粒・無菌寄り。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1。電子レンジか熱湯で事前殺菌すると立ち枯れ予防に効く。
播種方法
種子は1〜2mmと小粒。覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留め、種子間隔は1cm以上空ける。
光・温度
明るい日陰またはLED環境で25〜30℃を安定維持。発芽日数は7〜21日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種であれば発芽しやすい部類。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら水位を段階的に下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍以上に薄めた液肥を月1〜2回。成長が早いので濃く与えなくてもよく育つ。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換えをこまめに
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 採り蒔きまたは新鮮な種、加温マットで25〜30℃維持
注意点
樹液に弱い毒性がある。


