マダガスカル中央南部・イホロンベ平原からイサロ山地周辺の岩場に自生する塊根植物。かつては変種(P. rosulatum var. horombense)として扱われたこともあり、外見はやや似るが分類上は別系統。ふっくらした塊根から枝を伸ばす姿はグラキリスとも似るが、より野趣あるごつごつとしたシルエットと、ぷっくり膨らんだ独特の鐘形(壺形)の黄色い花が大きな違いで、花の愛らしさからも人気が高い。栽培下でも比較的丈夫で、岩場原産ゆえ長雨や止んだ空気には弱いので、通気を確保したい。
自生地の気候
雨は暖かい季節に集中し、5か月ほど続く乾季がある。温暖な気候。
自生地の広域的な気候の目安です。岩陰や霧など、実際の生育環境はこれより穏やかな場合があります。
出典:気候・標高 WorldClim 2.1(1970–2000)/分布点 GBIF/在来範囲 POWO/現在の天気 Open-Meteo
育て方
置き場所・日当たり
マダガスカル中央南部・イサロ周辺の岩場で強光と乾湿差を受けながら育つ種で、強い直射日光を好む。生育期は屋外で終日日光に当て、塊根を太らせる。岩場原産で長雨や止んだ空気に弱いため、日本の真夏は遮光30%程度の風通しの良い半日陰へ移し、株元のムレを防ぐ。鉢を地面に直置きせず棚で通気を確保し、サーキュレーターも併用したい。冬の休眠期は雨を避けて5℃以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込む。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり与え、塊根を太らせる。岩場原産で乾湿差に強いが長雨や蒸れに弱い。休眠期は断水気味、月1〜2回霧吹き程度で乾かし越冬。
用土
水はけと通気性を最優先に無機質中心で組む。赤玉土小粒:鹿沼土小粒:軽石 = 4:3:3が基本、軽石を増やしても良い。腰高鉢で乾湿のメリハリを付け株元のムレを防ぐ。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性化成肥料を植え替え時にひとつまみ。与えすぎは徒長と根腐れに直結し、野趣のあるシルエットも崩れる。控えめに太らせる。
温度・冬越し
生育適温20〜32℃、最低5℃が目安。岩場原産で長雨や止んだ空気に弱く、盛夏は遮光30%と通気で葉先焼けと株元のムレを防ぐ。冬は乾燥越冬を徹底。湿土+冷え込みが根腐れの主因。
実生のはじめ方
種の入手先
は直接商品ページ、その他は学名検索リンク。在庫は流動的なのでリンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。沈まない種は中身の充実が足りない目安になる。
用土
実生用は成株と分け、細粒・無菌寄りに。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1で、電子レンジか熱湯で事前殺菌しておく。
播種方法
覆土なしか、種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留める。種子間隔は1cm以上空け、密集を避けて重ならないよう並べる。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を保つ。発芽日数は5〜14日。発芽率は鮮度次第で大きく変動するが、新鮮な種なら発芽はおおむね安定する。やや遅れて発芽する個体もあるので焦らない。
水やり
鉢底から1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾かさないことを優先し、発芽が揃ってきたら徐々に水位を下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉が展開してから薄めた液肥を月1〜2回、規定の倍以上に薄めてごく控えめに与えるのが安全策となる。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開(〜1ヶ月)
腰水を継続し、湿度を保つ。強光は避け、引き続き明るい日陰で管理。
腰水卒業(1〜2ヶ月目)
徐々に腰水の水位を下げ、最終的に底面給水(受け皿に水をやる)へ切り替える。急に乾燥させると枯れる。
初回植え替え(1〜2年目)
根が鉢底まで回ってきたら適期。塊根が見え始める頃に、無機質中心の通常用土へ植え替える。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 用土の雑菌、過湿、通気不足
- 予防: 用土の殺菌、腰水の水換えをこまめに、サーキュレータで通気を確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLEDの距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 信頼できる入手先を選ぶ、加温マットで温度を安定させる
発芽後すぐ枯れる
- 原因: 急な強光、急な乾燥
- 予防: 環境変化は段階的に。1週間かけて少しずつ慣らす
注意点
岩場原産で長雨と止んだ空気に弱い。樹液に弱い毒性がある。











