「砂漠のバラ」と呼ばれるアデニウムの代表種。アラビア半島南西部の乾燥地に自生し、ぼってりとした太い幹と灰白色の樹皮、根元から複数立ち上がるブランチが独特の存在感を放つ。オベスムよりも横にどっしりと広がる樹形が特徴で、自生地では岩肌に張り付くように育つ姿が見られる。塊根の肥大が早く、春夏に咲くピンクや白のラッパ状の花も魅力。丈夫で発芽率も高く、実生入門にも最適な人気種。POWO 等の最新分類では Adenium obesum の synonym 扱いだが、葉が広く太幹タイプの個体群として園芸流通界で独立扱いされており、本サイトも流通名を採用する。
育て方
置き場所・日当たり

アラビア半島の乾燥した岩場で強光を浴びて育つため、生育期は屋外で終日直射日光に当てるのが理想。真夏は遮光20〜30%で軽い葉焼け対策を。鉢を棚上に置き風通しを確保。冬は10℃以上を保てる明るい室内窓辺へ取り込み、断水気味で管理する。
水やり
生育期は表土が乾いてからたっぷり与え、塊根を太らせる。横に広がる樹形のため葉数も多く水を吸うが、休眠期は思い切って断水気味、冬は月1〜2回霧吹き程度に抑える。
用土
水はけ最優先で無機質中心に組む。赤玉土小粒:鹿沼土:軽石 = 4:3:3が基本。横張りの根を受け止める広めの平鉢が相性良く、緩効性肥料を少量混ぜると初期成長が早い。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回、または緩効性肥料を植え替え時に少量混ぜる。肥料に応えやすい一方、過剰は徒長と根腐れの原因になるので控えめに保つ。
温度・冬越し
生育適温25〜35℃、属内でも暑さに強く真夏も旺盛に育つ。最低10℃を切る前に取り込み、落葉後は乾燥越冬が原則。湿土+低温は根腐れの最大要因なので、冬は思い切って断水気味に管理する。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を半日程度浸ける。新鮮な種は沈み、浮いたものは鮮度低下が疑われる。
用土
実生用は細粒・無菌寄りに組む。赤玉土細粒:鹿沼土細粒:バーミキュライト = 1:1:1で、熱湯やレンジで事前殺菌しておくと安心。
播種方法
覆土なし、または種子が見え隠れする程度のごく薄い覆土に留め、種子間隔は1cm以上空けて密集を避ける。
光・温度
明るい日陰で28〜32℃を確保。発芽温度はやや高めで、加温マットがあると失敗が減り発芽もばらつきにくい。
水やり
鉢底1〜2cmの腰水管理。最初の2〜3週間は乾燥させず、発芽が揃ったら徐々に水位を下げる。
肥料
発芽直後は不要。本葉展開後に規定の倍に薄めた液肥を月1〜2回与えると、生育が安定する。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光は避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌
- 予防: 用土殺菌、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐにLED距離を近づける、または屋外の明るい日陰へ移す
種が発芽しない
- 原因: 種の鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マット使用
注意点
「種が発芽しない」が最も多い。鮮度切れと温度不足が主因。樹液に弱い毒性がある。


