イエメン領ソコトラ島の剥き出しの石灰岩の割れ目に固有の小型ボスウェリア。乳香(フランキンセンス)を産する一族の中でもとりわけ可憐な矮性種で、短く太く膨らんだ幹に小さな羽状の葉をつけ、傷つけると澄んだ芳香の樹脂をにじませる。コンパクトながら堂々とした老樹の佇まいを早くから見せるため近年とくに人気だが、寒さと過湿には著しく弱く、強い光と十分な熱を要する上級者向けの一鉢。
育て方
置き場所・日当たり

ソコトラ島の灼熱の石灰岩上で強光と熱に晒されて矮性化した種で、強烈な直射と高い温度がコンパクトな樹形維持に不可欠。生育期は終日直射の屋外+強い通気で育て、寒気が来る前に必ず明るい室内窓辺へ取り込む。
水やり
生育期は表土がしっかり乾いてから鉢底まで通すように与え、続けて強い通気で素早く乾かす。秋以降は段階的に減らし、落葉とともに休眠したら春の動き出しまで完全断水で管理する。
用土
水はけ最優先。赤玉土:鹿沼土:軽石 = 2:3:5 と軽石主体に配合し、表土には化粧用の細粒軽石を薄く敷いて常時乾きやすい状態を保つ。鉢は浅めの素焼きが扱いやすい。
肥料・活力剤
生育期の真夏前後に、規定より薄めた液肥を月1回ほど与える程度に抑える。多肥は徒長と幹の間延びを招くため、メネデール等の活力剤を併用しつつ、最少量で締まった樹形を維持する。
温度・冬越し
生育適温は22〜32℃と熱を好み、寒さには属内でも極めて弱い。冷涼期に落葉して休眠するのは正常で、最低12℃を厳守し、室温が下がる前に取り込んで断水気味の温室管理が安全。

実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
は直接商品ページ、他は学名検索リンク。在庫は流動的なので、検索リンク先で改めて確認してください。
播種前の処理
殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を7時間程度浸ける。鮮度が発芽率を大きく左右し、古い種子は中身が空のこともあるため、新鮮な種を入手後すぐに播くのが基本。
用土
細粒の赤玉と日向土を半々程度にした無機質用土を使い、播種前に熱湯または殺菌剤で必ず処理する。表面はごく細かい粒で均す。
播種方法
覆土はせず種子を用土表面に置く程度にとどめ、密封せず適度な通気を確保して光が当たるよう浅鉢にばら播きする。
光・温度
発芽までは25〜32℃を保ち、直射は避けて明るい日陰で管理。加温マットの併用が成功率を大きく押し上げる。
水やり
発芽までは腰水で底面から常時湿らせ、表面が乾きすぎないようにしつつ、サーキュレータで強めに送風し続ける。
肥料
本葉が2〜3枚展開した頃から、規定の半分以下に薄めた液肥を2〜3週間に1度ごく控えめに与える。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、強光を避ける。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
2年目以降、根が回ってから。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、サーキュレータ必須
発芽率が低い
- 原因: 種の鮮度、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マット
冬越し失敗
- 原因: 寒さに極めて弱い
- 予防: 最低12℃以上、温室管理推奨
注意点
属内でも特に寒さに弱く、最低12℃を厳守。冬は温室管理が安全。



