メキシコ中央部の固有種で、種小名 morelensis はタイプ産地モレロス州に由来する。テワカン-クイカトラン渓谷の selva baja caducifolia(熱帯落葉低木林)を代表する樹木のひとつで、紙のように薄く剥がれる赤褐色〜煉瓦色の樹皮を持ち、めくれた下から灰緑色の新しい肌が覗く。スペイン語名「cuajiote rojo(赤いクアヒオテ)」が示すとおり、属内でも樹皮の発色がとりわけ美しい一群で、根元から太く詰まった幹を作りやすい。日本のコーデックス愛好家のあいだでも、この赤系の樹皮と塊根樹形を求めて実生(みしょう)から育てる人がじわじわと増えている中堅クラスの一種。
育て方
置き場所・日当たり
テワカン-クイカトラン渓谷など標高800〜1,400mの乾いた山地に自生し、強光と高温を好む。生育期は屋外で終日直射日光に当てると、赤褐色の樹皮の発色が締まりめくれの層も美しく出る。日本の真夏の高温には比較的強いが多湿に弱いので、雨ざらしを避け棚上で風通しを確保する。冬は最低8℃を切る前に明るい室内窓辺へ取り込み、乾燥越冬。
水やり
生育期は表土が乾いてから鉢底から流れるまでたっぷり与え、風通しで素早く乾かす。原産地は年降水量800mm前後で、雨季・乾季のリズムに合わせる。休眠期は完全断水。
用土
水はけ最優先で、赤玉土:鹿沼土:軽石を4:3:3が基本。微塵を抜いて根腐れを防ぐ。深鉢で根を真下に伸ばす。
肥料・活力剤
生育期に薄めた液肥を月1回程度。窒素過多は枝の間延びと樹皮の発色低下を招くため控えめにし、リン酸主体で幹の充実と樹脂香を高める。
温度・冬越し
生育適温22〜35℃、最低8℃が目安。原産地の最低気温は15℃前後と属内では暖地寄り、5℃を切ると枝先が黒く傷む。冬は完全断水で明るく暖かい室内に置く。
実生のはじめ方
種の入手先
海外: Köhres / Mesa Garden / Succseed / Unusual Seeds / Cactus Store
国内 専門店: プラントブラザーズ / SEEDSTOCK / あるびの精肉店 / 奈良多肉植物研究会
国内 マーケット: ヤフオク / メルカリ / Yahoo!ショッピング
播種前の処理
果肉が残っていれば洗い落とす。殺菌剤(ベンレート水和剤・ダコニール1000など)と活力剤(メネデール等)を使用希釈率で混ぜた液に、種子を7時間程度浸ける。鮮度が発芽率を大きく左右し、古い種子は中身が空のこともあるため、新鮮な種を入手後すぐに播くのが基本。
用土
細粒の無機質用土を基本に、赤玉土細粒と日向土細粒を等量で配合。播種前に熱湯か電子レンジで殺菌しておく。
播種方法
表面を平らに均し、種を寝かせて並べてからごく薄く覆土する。深植えは禁物。
光・温度
明るい日陰で25〜30℃を維持。加温マットで温度を安定させる。低温だと発芽率が一気に落ちる。
水やり
発芽までは腰水で常時湿潤を保つ。発芽後も浅めの腰水を続け、急な乾燥を避ける。
肥料
本葉展開後、規定の半分以下に薄めた液肥を月1回。濃いと細根を傷める。
発芽後〜植え替えまで
発芽〜本葉展開
腰水継続、明るい日陰で管理。
腰水卒業
1〜2ヶ月かけて段階的に。
初回植え替え
1〜2年目、根が回ってから深鉢へ。
よくある失敗
カビ・立ち枯れ
- 原因: 過湿、雑菌、通気不足
- 予防: 用土殺菌、腰水の水換え、通気確保
徒長
- 原因: 光量不足
- 予防: 発芽後すぐに光量を上げる。光不足だと赤い樹皮の魅力が出にくい
種が発芽しない
- 原因: 鮮度切れ、温度不足
- 予防: 新鮮な種、加温マットで25〜30℃を安定維持
注意点
樹脂は松・柑橘様の香りで魅力的だが、敏感肌の人は手袋を使うと安心。




